レストランAL PONT DE FERR(アル・ポン・デ・フェール)

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Matias Perdomo for United Colors of Benetton 2013 campaign

ミラノにあるイタリアン・コンテンポラリーフードのレストランを持つシェフ、マティアス・ペルドーモ。2011年にミシュラン一つ星を獲得したマティアスは、ウルグアイ出身ながらミラノを愛し、この街で自分の『芸術』を深める事を決意。 自慢の一皿は、トロペーア産オニオンと羊のチーズのアペタイザー。大好物は、シンプルなトマトソースのパスタ、タンゴとタイ料理。 彼にとっては「うま味」という言葉が、幸せのキーワードである。

ワカペディアの見るマティアス・ペルドーモ

今回、是非紹介したいレストランは AL PONT DE FERR(アル・ポン・デ・フェール)!ミラノの運河沿いに位置するNAVIGLI(ナヴィーリ地区)にある。

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From the left: the Navigli district in Milan with the iron bridge which gives the name to the restaurant; Al Pont de Ferr: entrance and inside

一番最初にこのレストランに入って驚いた事は、レストランの雰囲気だった。大抵ミシュランの星を取っているレストランはゴージャス感があったり、高級そうなインテリアで装飾されていることが多い。それなのに、アル・ポン・デ・フェールの内装は、まるでヨーロッパ18世紀の居酒屋みたいな雰囲気だった。フランスの作家エミール・ゾラが書いた、コルセットで胸の形を丸出しにした娼婦でも出てくるんじゃないかと思ったくらいだ。椅子もテーブルも、ほとんどが木で出来ている。ちなみにテーブルクロスなどは一切使用せず、紙が皿の下に敷いてあるだけあった。

「えっ?・・・ここって、一つ星レストランだよね?」(疑いの目)

と、何度も友達に質問した。

メニューを渡され、開いてみる。ミラノ市内の他のレストランに比べると、値段は少し高め。更に納得いかないサラワカ・・・

でもパパがいつも言う『見た目で判断してはいけない』というのは、まさにこういう事なのだろう。料理の一品目が運ばれてきた時に、私はそれを確信した!

サラワカ:「おお!何だこれは?!」

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Chef Perdomo’s marsterpieces: starters

食事前にカクテルグラスに入って出されたのは、カンパリを使った一品。白と緑の玉状のものは、モッツァレッラとオリーブで出来た不思議なボールのようなものだった。それを皮切りに、見たことも無い面白い料理がどんどん運ばれてきた。ニシカンパチ、フォアグラ、グレープフルーツとマカダミアナッツのモザイクに、トロペーア産オニオンと羊のチーズのアペタイザー。

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Chef Perdomo’s masterpieces: main course

イベリコ豚(レア)のブッラータチーズとウニのソース和え。その中でも特に感動したのは、デザートだ!どれもただ美味しいだけじゃなく、可愛くデコレーションされていて、なんだか子供の頃に戻ったような感覚だった。

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Chef Perdomo’s masterpieces: desserts

アップルパイにアイスクリームを添えたドルチェや、スコップの上にのったチョコレートと空豆のドルチェ。サラワカ、思わず感激の舞・・・

そして最後になって気づいた。きっと、こんな繊細且つアーティスティックな料理が居酒屋のような店内で振る舞われるからこそ、楽しめるのかもしれない。又ミラノに戻ったら、是非来たいと思った。

                 Ristorante Al Pont de Ferr(アル・ポン・デ・フェール)

                 住所:Ripa di Porta Ticinese 55, Milano, Italia

                 TEL  :  +39 02 8940 6277

                 定休日:なし (要予約)

サラワカ:Ciao サラワカだよ!君の名前は?

マティアス:マティアス・ペルドーモ

サラワカ:どこ出身?

マティアス:ウルグアイ出身だよ。

サラワカ:どこで料理の勉強したの?

マティアス:料理の勉強なんか、した事ないよ。

サラワカ:えっ?!それなら何処でこんな素敵な料理のテクニックを覚えたの?

マティアス:全部実践だ。まあ、キッチンの中って事だな。

サラワカ:へえ、そうなんだ!てっきりフランスかなって思ったんだけど、特にどこかの国の料理に影響されたりしたことはある?さっき出してくれた料理の中で、梅干しっていう日本の食べ物が使われていたけど、色んな国の食材をよく知ってるの?

マティアス:そこまで知っているわけでもないよ。ただ、俺の料理にリミットがない事は確かだな。

サラワカ:ふうん。 マティアスの料理は、コンテンポラリーフードっていう感じがしたよ!

マティアス:そうかい?(微笑む)

サラワカ:突然だけど、 マティアスは自分にとって芸術って何だと思う?

マティアス:俺にとって芸術は、一瞬のものだと思う。時のかけらであり、僕達は自然と感動や感情を引き出されるようなものなんだ。

サラワカ:同感!それなら、マティアスにとってはどんな芸術が一番感情を引き出す事が出来ると思う?例えば、音楽とか絵画とか料理とか色々ある中で、私にとっての一番は料理なんだけれど・・・

マティアス:俺にとっては、音楽だな。ていうのは、料理は昼の熱いアスファルトの上に水で書く、ポエムみたいに感じるんだ。もっと簡単に言うと、料理というポエムを理解するには、その瞬間を生きなければならない。でないと意味を完璧に理解するのは無理だ。食べものが引き出す感情というものは、本当に一瞬だからね。食べ物という芸術は、心の中にしか残らないのさ。

サラワカ:クールでロマンチックな人なんだね!マティアスは!(笑)インタビューの最後にいつもキスしてちょうだい!って頼むんだけれども、この素敵なポエム料理の後、私がキスしないと!って思ったの!いいかな?

マティアス:もちろんさ。

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Chef Matias Perdomo and I in his kitchen

Description & Interview: Sara Waka

Edited by: Yuliette